「人生、敵ばっかり!」をひっくり返す方法

今日は、先日の個人コンサルの事例をご紹介したいと思います。

人が悩んでいることの根底には「理解してもらえない」という心の声が隠れていることが本当に多いです。

しかし、どのような反応をするのかは性格によって全く違います。

この辺りはエニアグラムの観点から見ていくと、非常に明快で、理解が深まります。

今日ご紹介させて頂くクライアントAさんは、エニアグラムでいうとタイプ8。

とてもタフで頼もしいタイプです。

しかし「強さ」に囚われているタイプ8がゆえに、自分の中の弱さを受容することに難しさを感じています。

実際にAさんは、「強く在りたい」という信条を胸に抱き、「人に支配されたくない」という強い気持ちをお持ちでした。

人生、敵ばっかり!

さて、今回の単発のオンラインコンサルでご相談を受けたのは人間関係でした。

12月からジムに通われているAさんですが、トレーナーさんとの意思疎通がうまくいかず、高額のプログラムを購入したのに、モチベーションが下がってしまい、焦っているとのことでした。

また、それ以外にも人間関係でいろんなストレスが浮上しているタイミングでもあり、私にヘルプが入りました。

Aさんは強い感情の持ち主ですが、それをすべて自分の中で解決することで強く在ろうとしてきました。(そして実際に強い)

とはいえ、いつでも自己解決できるわけではないので、溜め込んだものが一気に爆発することもあるわけです。

それで、ご主人とも結婚以来最大の大げんかをしてしまったということでした。

こういう時ってもう、迷路に入り込んだような感覚になって、どうしたらいいかわからなくなってしまいますよね。

現状をしっかり認めた上で、次元を上げて考えてみよう

お話を一通り聞いたところで、浮かんだワードは「敵か?味方か?」でした。

そう私が伝えると「もう人生、敵ばっかりです!」とおっしゃいました。

なるほど…

ここで私は閃きました。

「敵か味方か」の次元を上げて、Aさんと一緒に考えてみよう、と。

今、Aさんが存在している次元では、敵とは「自分に対して否定的な人」です。

そして味方とは「自分に対して肯定的な人」です。

うんうん、確かにその通り。

ほとんどの人が納得する観点ではないでしょうか?

ここをしっかり認めた上で、今度は次元を上げてみます。

次元を上げるというのは、「魂レベルで考えみる」というイメージです。

魂レベルでみた時に、誰が敵で誰が味方なのかは、生身の自分が感じているのとは反転してしまうのではないか?と直観的に考えました。

自分とは違う価値観に触れてこそ「これが自分らしさだ」と確信することもできるし、乗り越えることでしか見えてこない景色があります。

そう考えると「自分に否定的な人も味方」と考えることもできます。

まぁ、仮にそうだとしたら?と考えてもらいました。

「否定的な人が味方ってどういうことだろう?」と能動的に考えてみて、初めて見えてくる視野というのがあります。

「あの人なりの価値観をベースに私のために言ってくれていたのかも」

「あの人は、私ももっと自然にしていいんだってことを見せてくれてるのかな」

そんな答えがAさんから出てきました。

「周りは全部敵だ」と思っていたAさんでしたが、見方によっては、「周りは全部味方だ」と反転して考えることもできる、ということがまずこの時点での提案です。

逆もまた然り、というやつです。

どちらの観点を採用するかはその都度自分で決めればいいのではないかと思います。

しかしいきなり魂レベルだけ採用してしまうと、無理やりポジティブな感じになりがちで、地に足がつかなくなってしまうので、生身の自分のありのままの気持ちを受け止めてこそです。

だから10秒スイッチが大事なんですよ〜

小さい頃の自分が言いたかったこと

次に私は「お母さんとの関係」を伺おうと思いました。

子供の頃、お母さんはAさんに常に一学年上の勉強をさせていたそうです。

高い水準を求められ、それに応えて大人になりました。

いちいちうるさく、小言が多かったそうです。

「褒められたことなんか一度もなかった」と仰っていました。

つまり、小さい頃のAさんにとって、お母さんは「否定的な人」だったわけです。

大人になって関係は変わり、今ではAさんにとってお母さんは「自分を支持、応援してくれる人」になりました。

肯定的な味方です。

しかし、興味深いことに、Aさんが人間関係で繰り返しているパターンは「年上の女性が私を否定する」ということでした。

いつも年上の女性に感じる否定感は、子供時代にお母さんから感じた否定感と同じなわけです。

そこでお母さんとの関係を見直してもらうことにしました。

「否定的なお母さんは敵で、肯定的なお母さんは味方ですか?」と、あえてお聞きしました。

「いえ違いますね。うるさくても、応援してくれても、母ちゃんは母ちゃんですね。私のことをずっと一番に理解してくれてるすごい人です」

と仰いました。

ここで、子供の頃の、お母さんから否定感を受け取っているAさんに、今のAさんだからわかることをイメージで教えてあげて下さい、とお願いしました。

「お母さんはいつもあなたの味方なんだよ」と。

そのお話をしただけで「うわーなんかまたがんばれるような気がしてきました!」と、ガラッと空気感が変わりました。

「周りは敵だ」という前提で社会で過ごすのは、内側に強い緊張状態を作り出していたはずです。

そしてその緊張感は、周りに伝わってしまうものです。

その前提が「周りは味方かもしれない」と変えるだけで、少し臨戦態勢が緩くなるような気がしませんか?

すると自然に心を開けるようになり、人間関係もスムーズになっていくことでしょう。

この敵か味方か、という強い感覚とそれに対する臨戦態勢は、エニアグラムタイプ8の方に顕著に表れる特徴です。

タイプが違えば、また違う角度からみていく必要があります。

このようにエニアグラムを補助的に取り入れることで、悩んでいる大元にある心の仕組みを明らかにするのが格段に早くなるので、今の私は気に入っています。

もう一つの具体的なアドバイス

そしてもう一つ、Aさんには「気持ちを小出しにしていくこと」をアドバイスしました。

職場の人、ジムのトレーナーさんなどに、感じていることを無理のない範囲で少しづつ伝えていくことは、Aさんにとって「弱さを見せること」です。

これはなんでも一人で抱えて解決しようとがんばる人には、とても大切なエッセンスです。

10秒スイッチは「内なる自分」を大切にすることそのものなので、続けていくことで「今までとは違う選択肢」を無理なく取れるようにもなっていきます。

コンサルの日から4日後、Aさんからコメントをいただきました。

ご承諾いただいたので、シェアさせていただきます。

今回のコンサルを受ける直前ぐらいに、夫と大喧嘩をしました。
きっかけは、みんな私より年上の女性に対するフラストレーション。
厳しい言葉や態度で、私の心に冷たい水が飛び跳ねてきました。

セッション後、過去の小さな可愛い私にも、 声かけ、今のテーマ、弱い私を見せるも意識しました。

いつも声が大きく、会話が苦手な人に向かって、 今日は私は疲れています。と切り返したら、違う人の元へいったり、 職場で、この人が、もし本当は味方だったとしたら、何を見せてくれてるのかな?と考えてたら、ずいぶんと楽になりました。

○いつも、言いたい放題のmさん →好きに表現しても良いんだよ
○公開処刑と被害者扱いされたと思うほど嫌いなoさん →変わり者だけど、意見を言える環境であること
○自由な上司 →上司に対しては、「今帰ってきたので、あとで修正します」とビシっと言えました。

小さな事を小出し感情で出していく。
意識出来る様になりました。
スポーツジムのトレーナーからも、 よくやってる。と褒めてめらえ、(初めて褒められました) 食事については、僕からもう何も言う事ありません、完璧です。とまで昨日言われ、さらに進捗している自分を褒めてあげていきたいです!

今までは言わずに堪えるだけだったことも「周りは本当は味方」という前提で表現していくと、意外とすんなり周りに受け入れられたりするものです。

そして、トレーナーさんから褒められることで、トレーニングに対するモチベーションは上がりますよね。よかったです!

さらにその後、メッセージをいただきました。

あと、昨日の出来事ですが、
小さな頃の私に散々話しかけたら、、、、
昨日母と電話で話していて
「お正月に会った際のあなた、とても綺麗だったわ。我が子ながら綺麗だと思ったよ」と、5回ぐらい言われ、
えっ?そこまでは、、、、とツッコミ入れるほどでした。
このように母からの愛が大きくきて、ビックリしました💕

いいですね!

現実化の仕組みから考えると、これは当然の結果とも言えます。

あなたがあなたに優しくしたら、世界は優しくなります。

今の変化が小さなものだとしても、そのちょっとの違いが未来を大きく変えていきます。

あなたが今悩んでいることも、自分の性格を深く理解し、視点を変えてみていくことで、自然と意識が変わり、解決の方向へと向かいます。

自分を深く理解しないままに、意識だけ高く保とうとしても、長く続きません。

まずはそのままの自分、そのままの意識を十分に認めた上で、変えていくことが重要です。

こんな風に個人コンサルではみなさんのお手伝いをしています。

エニアグラム、占星術などを素晴らしいツールとして用い、あなたのまだ言葉になっていない意識状態を見える化していきます。

ホッと安心し、自分に納得し、その上で行きたい方向へ無理なく行けるようにご案内していきますよ。

1月後半〜2月も受け付けていますので、いつでもお声掛けください。

個人コンサルについて詳細&お申し込みはこちら

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この記事を書いた人

奥 敬子
心理コンサルタント
1972年神戸生まれ。
阪神大震災で被災したことをきっかけに上京し、ソニー・ミュージックアーティスツに入社
PUFFY、氣志團、真心ブラザーズなど、数々のアーティストのコンサートグッズ企画制作を11年間担当し日本全国をツアーで回る。
多忙の中でパニック症を発症したことをきっかけにホメオパシーに出会い、劇的に改善したことから専門家を目指すことに。
日本ホメオパシーの第一人者である由井寅子氏をはじめ、イギリス、インド、フランスなどホメオパシー先進国の教師の元で学ぶ。
2008年に開業し、ホメオパス医学協会の学会では4年連続ステージで事例発表。
ホメオパスとしての実績を積みながら2014年から心理コンサルタントとしても活動。
現在は心理コンサルティングの中に性格心理学のエニアグラム、ホメオパシー、タロットリーディングを取り入れて、ボディ・マインド・スピリットのつながりを太くしていくアプローチを行ない、アーティストや起業家、会社員、主婦など、多様な人々の人生を幅広くサポートしている。

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