「第三の選択」は愛に溢れる関係性だった(エニアグラムタイプ2)

萌さん(仮名)38歳はいつも対面のコンサルにお越しいただいる可憐な雰囲気の女性です。

その萌さんのコンサルの中で、等身大の自分を明確にして、それをどう現実に活かしていくかがよくまとまったので、今日はそのことをシェアしたいと思います。

萌さん、シェアにご快諾いただきありがとうございます。

愛に悩むタイプ2の萌さん

萌さんはエニアグラムタイプ2。

恋愛のお悩みで私のコンサルに申し込んでくださいました。

最初にお越しくださったのは1年前ほど前になります。

当時は「とにかく私の話を聞いてほしい。受け取ってほしい」という思いが溢れかえっていました。

タイプ2は「受け取ってほしい」のです。

そして基本的に、人に喜ばれることや感謝されることを人生の主軸としています。

ゆえに、いつも人のことを見ていて、できうる限りの気遣いを試みます。

ですが、相手から感謝が返ってこないと「私のこと好きじゃないんだ」と強く思い込む癖があります。

(タイプ2にこの話をすると「え?みんなそうじゃないの!?」とびっくりします笑)

不健全になると、ブチ切れて、感謝という形で愛を返してこなかった相手との縁を突然斧でぶった切ります。(イメージです笑)

「愛されない」ということへの強い恐怖を持っているがゆえのことです。

(ちなみに健全度によってその様相は随分変化しますので、一面的ではありません)

愛と憎しみから本当の利他精神へ

萌さんもまさにこのような人生を歩んでこられていました。

私のところに来られてから今でちょうど1年ほど経ちました。

タイプ2は愛と憎しみがテーマです。

自分は利他の人間だという思いが強い人なのですが、よくよく見ていくとその裏には超利己的な自分がいるものなのです。

冷静に考えたら、そりゃそうですよね。

利他があるなら利己があって一つですから。

でも、利他の自分で愛を注いでるつもりなのに、うまくいかなくなると利己の自分が出てきて憎しみでいっぱいになるのがタイプ2です。

可愛さ余って憎さ十倍の世界かもしれませんね。

でも、そんなとらわれから解放されていくと、タイプ2は自分を大切にするようになります。

利己的な自分を大切な自分の一部として受け入れた瞬間から、ずっと育んできた利他の精神という素晴らしい才能が純度高く活きてくるようになります。

真逆の利己を受け入れたら、理想だった利他が本当の意味で実現するということですね。

萌さんも、そんな愛に悩み、憎み、利己的な自分を知って受け止め、どんどん等身大に戻ってきた一年でした。

悩みの根元にある等身大の自分とは?

そして先日のコンサルでは、萌さんの今までの思考パターンの壁を越えるべく、「悩みの根源にある等身大の自分」を認めるというプロセスが行われることになりました。

彼女の根元的な認めるべき自分とは

「自他の区別をつけるのが本当に苦手!!」

ということでした。

どうしても自分のことよりも人に意識がいってしまう萌さんが、無理やり自分を大事にしようとすると不自然なことになってしまうのです。

そこで今までのパターンを整理しました。

①つい相手に尽くしてしまう(相手のことだけを考える)

どんな場面でもまずはこれだそうです。

恋愛だけでなく、「この人から学ぼう」という相手の言うことは一切疑問を持たずに丸呑みしようとするというパターンもここに当てはまります。

①をやっていくうちに、自分を見失い、必ず苦しくなるのは想像できますね。

すると反動が出て、真逆に走ります。

②自分の選択をする(自分のことだけを考える)

今度は、突然相手のことを考えなくなります。

①でやり過ぎてしまうため、相手を切り捨てた考え方になってしまうのです。

タイプ2はストレスが溜まるとタイプ8に退行し、タイプ8の不健全な部分が出てきます。

それが敵味方をはっきり分けて、敵を切り捨てたり、攻撃したりするという側面です。

優しいタイプ2が突然ブチ切れて、周りがびっくりするなんてことは、よく聞く話です。

そして、「またやってしまった・・・」と後悔することになります。

萌さんによると、今までずっと①と②の繰り返しでやってきたそうです。

今までになかった「第三の選択」とは?

そこで、一緒に第三の選択を言語化していきました。

腑に落ちる第三の選択を言語化するきっかけとなったのは萌さんのある一言でした。

「生き方に憧れる人はいますか?」と私が質問した時のことです。

「両親ですね。

父個人、母個人の生き方がどうということではなく、関係性に憧れます」

と萌さんは言いました。

ここで私はピンときました。

「萌さんはいつでも人との関係性を見ているんだ」と。

いかにもタイプ2です。

私個人、相手個人ではなく、

「あなたと私の関係が愛に溢れたものでありますように」。

いつもそう願っているのです。

素敵ですよね。

ということで、出てきた第三の選択は、

③関係性を見る(ちょうどいいところを探す)

となりました。

ここまで言語化した時に萌さんは「わぁ、それはすごく楽です!どっちかじゃなくていいんだ」とホッとした様子でした。

だってそれが萌さんの本質ですからね。

それでいいというか、「それがいい」んですね。

まさに自分のままでいいとホッと緩む瞬間です。

萌さんの望む「私とあなたの深いパートナーシップ」。

それは何も恋人だけが対象ではありません。

家族、友人、会社の同僚や上司・・・

どんな人でも、その関係性を見ている等身大の自分を大切にしていくことを日常で意識していってくださいとお伝えしました。

今後だって①や②を通ることも当然ありますが、最後に③に辿り着ければそれでいいはずです。

いきなりうまくいかなくても、トライアンドエラーで積み重ねていくことこそ、萌さんが望む、相手との深い関係へとつながっていきますから。

プロセスを経てたどり着いた天秤座の世界

実は萌さんは太陽星座が天秤座です。

天秤というのは、お皿が二つあります。

そのお皿の上に乗せた「どちらか」に目がいってしまいがちですが、本当に大切なのは「天秤の軸」です。

何を軸として、異なる二つのものを比べているのか?

萌さんにとってそれは、「愛に溢れる関係性」なのです。

いかにも天秤座の萌さんらしい世界観です。

萌さんは辛い失恋を経験しましたが、この等身大の自分を起点とした日々のパートナーシップを大切にしていけば、その自分にぴったりな相手と出会うのではないかと予感しています。

ちなみに、ここに辿り着くまでに、萌さんは自分で自分の声を受け止め、認めていくプロセスをとことん続けてきました。

もしそのプロセスがなければ、萌さんの場合は、①②のループから抜け出すのは難しかったかな?とも思います。

萌さん自身も、「前だったら①の”人に尽くすことが善”という価値観から、なかなか抜け出せなかったかも」と言っていました。

等身大は目の覚めた自分

この記事を作成し、萌さんご本人に先に読んでいただいたところ、こんなお返事をいただきました。

拝読しました。ありがとうございます。 昨日のコンサルのありのままが現れています。ステキです✨

私自身が今後も、何度も、この記事を読んで思い返しまくります😆

今日不意に不安になっていました。

「あの人との関係を私は築いていけるのだろうか」

あ!関係性だ。

私は関係が築けるか否かをとても重要視している。

昨日言語化して頂いたことで、いつもだったら見過ごしてる不安をキャッチ出来ました。

関係性。絆。仲良し度。縁。こじれた関係。

私の心が良くも悪くも、もっとも騒ぐのは、関係性に由縁していました。

地に足が着きました😊

いかがでしょうか?

等身大の自分を知るって、本当に深いし、気持ちのいいことだし、目の覚める思いのすることなのです。

「あぁ、これでいいんだ」とホッとしたり軽くなったりするお客様の姿に立ち会えることが、私にとっては本当に嬉しいことですので、今後もどんどん追求していきます。

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この記事を書いた人

奥 敬子
心理コンサルタント
1972年神戸生まれ。
阪神大震災で被災したことをきっかけに上京し、ソニー・ミュージックアーティスツに入社
PUFFY、氣志團、真心ブラザーズなど、数々のアーティストのコンサートグッズ企画制作を11年間担当し日本全国をツアーで回る。
多忙の中でパニック症を発症したことをきっかけにホメオパシーに出会い、劇的に改善したことから専門家を目指すことに。
日本ホメオパシーの第一人者である由井寅子氏をはじめ、イギリス、インド、フランスなどホメオパシー先進国の教師の元で学ぶ。
2008年に開業し、ホメオパス医学協会の学会では4年連続ステージで事例発表。
ホメオパスとしての実績を積みながら2014年から心理コンサルタントとしても活動。
現在は心理コンサルティングの中に性格心理学のエニアグラム、ホメオパシー、タロットリーディングを取り入れて、ボディ・マインド・スピリットのつながりを太くしていくアプローチを行ない、アーティストや起業家、会社員、主婦など、多様な人々の人生を幅広くサポートしている。

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