私の冥界くだり#3「私を落ち込ませろ!」

人生、昇るばかりでなく、自ら降りるべき時がある。

それが更年期という世代。

降りるのは自分の心の中。

そして人生の暗部。

その中からずっと見つけたかった自分だけの本当の光をすくい上げ、人生の後半を「私は私でよかった」と納得して生きるため。

私が更年期の世代に入ってから体験したことを5回の記事に分けて綴ります。

#1「冬至の夜に陰極まる」

#2「それでも闇は見たくない」

の続きです。

バカな私なんて大嫌い

貧血、子宮の感染症などをきっかけに、今までの自分の愚かさがどんどん見えてきて、最悪な気分になってきました。

その気分をなんとかしたくて頼ったのは性格心理学のエニアグラムでした。

元々好きだったので10年くらい前に読んだ本や最近でた新刊を、何かここに私の気持ちが楽になる手がかりがあるはずだと読み漁りました。

そして悟りました。

「私はバカな自分が大嫌いなんだ」ということ。

バカ、愚か、無知・・・

自分にそういうところを感じたり、人からそう見られているのではないかと思うと、全速力で逃げたくなる。

「いやーーー!!!死ぬーーーー!!」

くらいの恐怖。

エニアグラムタイプ5の特徴そのままです。

10年以上前から知っていたはずのその言葉が、突然私の胸にブッ刺さりました。

どんな金言も、タイミングが来ないと刺さらないもんです。

私にとって「バカで愚かで無知な私」は、何がなんでも避けたいもの。

貧血で死にかけたのに、懲りずに8ヶ月後にまた入院した愚かな自分。

闇に葬っておきたかった愚かな自分をいよいよ放っておけなくなってしまった。

でも、自分がなぜか繰り返してしまうネガティブなパターンの大元がここにあるとわかったので、もうなんというか…本当に気づけてよかったと心から思いました。

私の優しさは7歳レベル

そしてもう一つはマドモアゼル愛先生の月星座。(月も闇との関係が深い)

月星座を知ることで、この闇はますます明らかになりました。

私は月蟹座なのですが、月の星座は「欠損」を表します。

(月星座にはいろんな捉え方がありますが、私はマドモアゼル愛先生の月の欠損理論を基準に書いています)

蟹座的な特徴というのは、母性、家庭的、優しさ、守り、などがキーワードです。

この領域に関しては月蟹座の人は7歳レベルまでしか成長しない、という考え方です。

だけどそんなことは知らない私たちは「私にだってできるもん!」と成長しようと躍起になる。

本当は欠けていることを本能的に知っているから、埋めたくなるのです。

欠乏感から努力し、いつまで経っても満たされない自我の繰り返すパターンがここにあります。

(詳しくはマドモアゼル愛先生のブログや動画など見てみてくださいね!)

占星術の詳しいところはさておき、私は月蟹座の特徴「母性的な身近な人への気遣いや優しさが7歳レベル」には度肝を抜かれました。

まさにその通りで、自分は気を遣っているつもり、尽くしているつもりなのに、全く手応えがなく、蟹座のように家庭的な女性になろうとすると全てがぶっ壊れてきたからです。

私だってやればできるもん!とすればするほど、できない自分になり、無力感を感じるに至るのです。

月蟹座は薄っぺらな優しさしか持ち合わせていない・・・苦笑

欠乏感を埋めるために無理やり優しさを発動させるとエネルギーが消耗していく・・・

月蟹座の自分を受け入れて、自由になりました。

「できないことを自分に要求して苦しくなっていたんだなぁ」と。

そういうわけで、「私が向き合うべき闇はこっち方面」ってことがエニアグラムと月星座でわかり、ここを放置していては先に進めないということがよく理解できました。

だから安心して闇に降りる準備ができたんです。

落ち込ませろ!と女性性は訴えてきた

私はひたすらにネガティブなことをポジティブに転換するようなものの見方を学んでいたし、素早く転換できればできるほどいいと思っていました。

それは私の中で「闇から逃れる手段」でもありました。(傷ついた男性性は闇を恐れるから自然なこと)

そのおかげで言語化によって腑に落ちることがたくさんあり、癒されて、上を向いてどんどん昇っていく人生の醍醐味も体験できました。

(言語を持つのは男性性で、それによって動いていける)

それはこれからも必要だし、自分の中にあるものだけど、順番がもう違います。

通常の男性性は「合理的努力解決主義」がベースです。

もやもやしたり、嫌なことがあったら、原因を突き止めて、クリアにすべき。

または「解釈」や「意味付け」をして、「これでよかった」と着地したい。

自分を落ち込ませないように、落ち込ませないように・・・

闇にどっぷり浸かり続けてきた人は、この男性性的な解決法が最適な場合があると思います。

だけど、闇を避け続けて更年期にまでやってきた私は、闇をも自分自身として取り戻す時期に入っちゃったもんですから、合理的努力はちょっと横に置くしかない。

だから、女性性の「落ち込ませろ!怒らせろ!」という体からの声に抵抗するのはやめました。

目の前でうちの姉はお手本のように落ち込んでるし、怒ってるし。笑

完全に導かれてましたね。

ということで「主体的に」遠慮なく、思いっきり、闇にどっぷり浸かることに腹を決めました。

闇にのまれるのではなく、自ら闇を迎えにいく。

落ち込みたいだけ落ち込み、自分を責めたいだけ責め、時には人のせいにしまくり、「あ〜なんて私はバカだったんだぁ!!!!」とジタバタジタバタしまくりました。

それが私にとっては女性性の封印を解く儀式でした。

「はい!わたくし、今から思いっきり自分を責めま〜す!」と高らかに宣言してやってました。笑

これがね〜、気分は最っ悪なんだけど、体に力がみなぎってくる・・・

やればやるほど元氣になるのです。

ある域を超えると面白くなってきて「私は生きてるぞ〜〜!!!ちきしょー!!」と、子供の頃に感じていたようなイキイキとした感覚が蘇ってきたんです。

陰極まれば陽に転ずるは本当です。

無力な自分をそのままに

同時にものすごい眠気とダルさでした。

2019年の年末に手術をして明けた2020年はコロナ禍。

ステイホームをいいことに、ずーっとダラダラ、ゴロゴロ。

人生でこんなに寝ていたことはありませんでした。

仕事は週に2日入ればいい方な感じで過ごしていたので、もちろん売上は激減しましたが、以前のような不安がありませんでした。

(手術と同時に実家に戻ったおかげもあるし、金銭的なサポートも不思議と多かった)

とにかく2020年はサボりにサボろうと決めました。

「無力」

「役立たず」

あえて、自分をそのままにさせてみたのです。

また2020年3月には父も亡くなったので、別れの悲しみ、寂しさ、そして今まで適当にしてきた無力感や怒りなど共に過ごしていました。

(ずっと眉間に皺寄せてノートに殴り書きしていた。今思うと結構クレイジー笑)

ところが、そうやって過ごしていくうちにそこに平和を感じるようになっていきました。

私の真の心の平和は、闇の中にザブンと潜ったその中にあったのです。

そこから、想定外のことが起こり始めました。

心を陰陽統合するそのやり方を具現化するひらめきがどんどん降ってくるようになり、思いがけずコンサルティングのスタイルとしてまとまることになるのです。

まったく期待もしていなければ、作ろうとさえしていなかったのにです。

やるべきことは世界側からやってくる。

そう実感し始めました。

#4へ続く

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この記事を書いた人

奥 敬子
心理コンサルタント
1972年神戸生まれ。
阪神大震災で被災したことをきっかけに上京し、ソニー・ミュージックアーティスツに入社
PUFFY、氣志團、真心ブラザーズなど、数々のアーティストのコンサートグッズ企画制作を11年間担当し日本全国をツアーで回る。
多忙の中でパニック症を発症したことをきっかけにホメオパシーに出会い、劇的に改善したことから専門家を目指すことに。
日本ホメオパシーの第一人者である由井寅子氏をはじめ、イギリス、インド、フランスなどホメオパシー先進国の教師の元で学ぶ。
2008年に開業し、ホメオパス医学協会の学会では4年連続ステージで事例発表。
ホメオパスとしての実績を積みながら2014年から心理コンサルタントとしても活動。
現在は心理コンサルティングの中に性格心理学のエニアグラム、ホメオパシー、タロットリーディングを取り入れて、ボディ・マインド・スピリットのつながりを太くしていくアプローチを行ない、アーティストや起業家、会社員、主婦など、多様な人々の人生を幅広くサポートしている。

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