「自分には力がある」と心底信じるには怒りを活かすこと(タイプ5)

恐怖の正体が知りたい

エニアグラムのタイプ5は「無知、無力では生きていけない」と本気で信じているタイプです。

(意識してない人も多いですが)

先日、コンサルを受けてくださったAさんも、エニアグラムタイプ5でした。

・アレルギー症状でちょっとしんどい。

・新しい仕事でこれから頑張っていこうとしているが、恐怖が強い。

・二人目の子供が欲しいと思っているが、できる気がしない。

こんな近況を話してくださいました。

特に仕事をやっていく上での恐怖は「死の恐怖に近い感覚がある」とのことで、今回のコンサルの目的は「恐怖の正体を知る」ということでした。

アレルギー、仕事、妊活。

この3つの出来事が共通して彼女に伝えてきていることは何なのでしょうか?

お伺いしながらすぐに感じられたのは「私には力が足りない」という思い込みです。

まさにタイプ5ど真ん中のものですね。

力がないという思い込みは、タイプ5にとって「生きていけない」という死の恐怖に近いものです。

症状が治るかどうか、うまく仕事を進められるかどうか、子供を授かるかどうか。

この現象は「力を信じるとうまくいく」という共通点があるように私は思いました。

そして、そう思えないからこそ悩み、私に連絡をくださったはずです。

「力を信じること」が今日のテーマで、そこをクリアするために世界からメッセージが来ているというお話ししましたら、

Aさんは「え…すごいですね…。納得です。すっきりしました。」と。

ここまでの会話時間は30分くらい。

コンサルを受ける動機となった「恐れの正体が知りたい」という気持ちは、Aさんが新しいステージに立つために必要な「力」を自覚するために必要なきっかけになると思いました。

「自分には力がある」と心底信じるには怒りを活かすこと

そしてここからが大事なところです。

「私には力がある」と思えるようになればうまくいく。

では、そのためにはどうしたらいいのでしょう?

「私には力がある」と言い聞かせる?

今までの実績を振り返って、力を認める?

私自身がタイプ5なのでよくわかるのですが、そのようなアプローチではタイプ5の力がないという思い込みは残念ながら変わらないのです。

もっと根源的な、内面から湧き上がるようなエネルギーを「体感」せねばならないのです。

そこで注目すべきは「怒り」なんです。

これを読んでくださっているあなたも、自分が怒っているや人が怒っている時にどうなるか、いつもの状態と何が違うのか、思い出してみてほしいんです。

怒ると、体には力がみなぎり、興奮しているはずです。

それで「力がない」なんて、んなアホな、なんですよ。笑

高みの見物から現場復帰する

でね、タイプ5は感情表現がとても苦手です。

怒りだけでなく、感情全般を「高みの見物」で対処しようとしてしまう癖があるからです。

「はいはい、怒りありますよ。わかってます。なるほどね、私はこういう理由で怒ってるのね」

みたいな感じで、怒りと距離を置く。

この態度は怒りと一体化してしまってすぐに怒り散らすタイプの人にはお手本のような態度だと思うんですよ。

だけど、タイプ5の場合は、高みの見物ばかりすることで、どんどん力が感じられなくなっていくことが問題なんです。

感情と距離を置くのがタイプ5にとっては自分自身を冷静に保つ最善の方法だからしょうがないんですけどね。

で、なんで、そういう手段を取るかっていうと、

「私には力がない」

と根源的に信じてるから、というところにまた戻るわけです。

省エネモードでないとすぐにエネルギーが枯渇すると思ってしまうんです。

でもそれは思い込んでいるだけのことで事実ではないので、本当は力はあるし、実感も取り戻せます。

取り戻すには、いつも客観的態度をとることをやめ、リアルにその場で感じていることをそのまま表現することが必要なんです。

それが思考の世界を出て、現実の世界に現場復帰するということで、そこでしか力を実感することはできないはずなのです。

タイプ5だからこそ有効な怒りの表現

だからこのループを抜け出すのであれば、怒りの表現だと私は思っているんですよ。

少なくとも、私の経験上はそうなのです。

タイプ5さん、つい「解釈することや意味付けすること」で感情を処理しようとする自分に気づいたら立ち止まってみてください。

そして自分に「本当はどう思ってんの?」と自分に聞いてみてほしい。

もし怒っていたら、その怒りをちゃんと言葉にして表現してみてください。

それは自分に優しくする行為です。

そしてその「力み」、内面から湧くエネルギーを感じるんです。

力んで興奮している自分をしっかり感じ

「力がこんなにも湧いている」ということを認めるんです。

タイプ5なら、「そんなめんどくさいこと」と思うかもしれない。(わかるよー笑)

でも、その「めんどくさい」も力を出すことを避けるための言い訳です。

怒りを体で感じて、「私はこんなにも力強いんだ」って実感して欲しいです。

「なにやってんだろ?」って自分も出てくるけど、それもまた力を出さまいとするところからくる言葉だから、そこを乗り越えてください。

Aさんにもこの話に納得されて、怒りの表現に取り組んでみるとのことでした。

Aさんのその後

コンサルからまだ1週間ほどですが、Aさんからコンサル後の様子を伺いました。

怒りは、やはり無意識にスルーしようとしていたことに気づきました。
コンサル当日の夕方に、なぜ!?という出来事があったのですが、その相手のが私の中で元々「やらかしさん」の扱いだったので、ため息一つでやり過ごすところでした。
今までそうやってやり過ごしてきた怒りが沢山あることがわかったので、怒りに焦点を当てて感情を観察することをやってみています。
日常の中で、今まで避けていた場所の片付けを抵抗なくやっていたことに気がついて、ハッとしたりしています。
力、感じられそうです。

さっそく距離を置いていた怒りに気づき始められていて素晴らしいです!

そして、潜在意識レベルでもう変化しているのを感じられるのは、「抵抗なく片づけられた」というところ。

家と潜在意識って本当に密接でね。

心境の大きな変化があると、片づけたくなる人は本当に多いんですよ。

避けていた場所に抵抗がなくなるということは、心の深いレベルでの何かが変わったことを表していると言っていいと思います。

タイプ9も怒りを感じて表現してみるといいです

目の前の現象は必ずメッセージを持っています。

一見ばらばらの出来事の中に、ひとつのメッセージが隠されているのです。

どんなメッセージが隠されているのか、エニアグラムを深く理解しているとすぐにわかります。

だからエニアグラムをみなさんに活用して欲しいと思っているんですね。

今回の内容はタイプ5の方に特に響くのではないかと思っていますが(なんせタイプ5本人が書いている文章でもありますんで)、エニアグラムの9タイプの特徴ってすべて一人の人間の中にあるものなのです。

その中でも一番思い込みや恐怖が強いのが自分のタイプとされるものなんですね。

だから複数のタイプが自分に当てはまると言う人もいます。

ですが、基本は一つのタイプに根っこがあります。

というわけで、タイプ5ではない方でも、怒りの表現で力を感じる体感をするといい方もいると思います。

特にタイプ9の方とかは当てはまるのではないかなと。

高みの見物ではないですが、怒りは結構スルーしているのがタイプ9です。

怒りをちゃんと認めて、一人の時間に表現することで、すごく体が元気になったタイプ9のクライアントさんもいました。

怒りは力として認めたら、自分の強い味方になってくれるんです。

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この記事を書いた人

奥 敬子
心理コンサルタント
1972年神戸生まれ。
阪神大震災で被災したことをきっかけに上京し、ソニー・ミュージックアーティスツに入社
PUFFY、氣志團、真心ブラザーズなど、数々のアーティストのコンサートグッズ企画制作を11年間担当し日本全国をツアーで回る。
多忙の中でパニック症を発症したことをきっかけにホメオパシーに出会い、劇的に改善したことから専門家を目指すことに。
日本ホメオパシーの第一人者である由井寅子氏をはじめ、イギリス、インド、フランスなどホメオパシー先進国の教師の元で学ぶ。
2008年に開業し、ホメオパス医学協会の学会では4年連続ステージで事例発表。
ホメオパスとしての実績を積みながら2014年から心理コンサルタントとしても活動。
現在は心理コンサルティングの中に性格心理学のエニアグラム、ホメオパシー、タロットリーディングを取り入れて、ボディ・マインド・スピリットのつながりを太くしていくアプローチを行ない、アーティストや起業家、会社員、主婦など、多様な人々の人生を幅広くサポートしている。

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