強くありたい人の根っこは繊細さ(タイプ8)

怒りを出すことにためらいのない人

先週、感情から距離を置いて「高見の見物」ばかりしてる人のことを書きました。

エニアグラムタイプ5は、怒りを自分のものとしてしっかり感じることで、自分の力強さを思い出せるという話。

FacebookやLINEで記事をシェアしているのですが、タイプ5の皆さんから反応をいただき「書いてあることそのまんま私!」とたくさんの共感をいただきました。

「実際にやってみたら確かに力が感じられた」というメッセージもいくつかいただいて、とても嬉しかったです。

さてさて、今日は真逆の性格の話をしたいと思います。

それはエニアグラムタイプ8「強くありたい人」です。

支配されること、自立していられないこと、弱いことが「恐れ」です。

タイプ5とは違って、一瞬にして怒りが燃え上がる性格。

怒りを外に出すことにためらいがありません。

「私は強い」という自負があるので、周りの人も自分と同じくらい強くあるべきだと感じています。

ゆえにストレートな物言いになりやすいです。

タイプ8の人はケンカも平気な場合も多いです。

むしろケンカするくらいぶつかり合った方が分かり合えると思っているからです。

しかし、なぜかタイプ8の周りには繊細なタイプが集まります。

それはタイプ4とか5が多いかな。(他のタイプでも繊細な人はいますが)

気持ちに正直で傷つきやすいタイプ4、そして人の言動に圧倒されると心を閉じるタイプ5。

強くありたい人の周りに繊細な人(つまり弱い人)が存在するのは、偶然ではありません。

人間関係のトラブルから体調を崩したBさん

先日緊急コンサルが入ったBさんはタイプ8。

会社で人間関係のトラブルが起こり、体調まで崩してしまったとのことでした。

そのトラブルのきっかけは、やはりBさんのストレートな物言いだったんです。

Bさんは、私からエニアグラムコンサルを受けているので、自分の性格も理解しています。

「周りの人は自分ほど強くない」

そうわかってはいても、どうにも我慢できなくて、相手に言いたいことをはっきり言ってしまったそうで。

すると、完全に相手は心を閉じてしまい、そこから仕事上の意思疎通がまったくできなくなってしまったとのこと。

「私は誰とでも仲良くしたいし、できる自信がある!」と自負しているBさん。

今回ばかりはどうにも修復が難しいようでした。

本音をぶつけると相手が傷ついてしまい、心を閉ざされるというのは、タイプ8に本当〜に!多いパターンです。

トラブルの発生からBさんは胃を壊し、いつも体が緊張して動悸がしている状態に。

さらに追い討ちをかけるように友達との間に気になることができてしまったり、心身ともにストレスが重なりまくった状態で、私にヘルプが入りました。

このような最悪な状況には、本当にわかりやすく課題が潜んでいるものです。

私は話を伺って「この出来事たちが共通して教えてくれていること」があるなと思いました。

まず、この状況からして、Bさんは本当はトラブルにとても弱いことが明らかです。(なのに本人には自覚がない)

その強そうな見た目からは想像がつかないくらい、本当は繊細な人だということです。

ですがBさんは「私は強い!」と言わんばかりに勢いのある人。

積極的で声も大きいし、豪快なところがあるし、自己主張も強いように見えます。

なのに、トラブルが起こった途端に胃を壊すし、動悸が止まらない。

店員さんの態度が悪かったりすると怒ってクレームを言うんだそうですが、いつも怒った時には手が震え、体はガクガクするのだそうです。

え・・・、チワワ?笑

「私は強いライオンだ!」って言ってるのだけど、内情を聞いてみると実はチワワ。

「ライオンだぞ!なめんなよ!」とぶるぶる震えながら吠えるチワワ。

私は「可愛い・・・」と思ってしまいました。笑

自分が否定した自分は他人となって目の前に現れる

さて、今回の人間関係のトラブル。

私がBさんにお伝えしたのは、Bさんが切り捨てている「繊細な自分」が「他者化」して目の前に現れているということ。

「繊細でチワワな自分を切り捨てず否定せず、自分のものとして取り戻せ」

それが世界からのメッセージです。

自分が否定した「これは私じゃない」「私の中にあってはいけない」と思う自分は、他人の顔をして目の前に現れるからです。

これは本当に法則なのですよ。

そしてその他人に振り回され、困らされる。

「それは私自身だった」と認めるまでは・・・

そんな解説をBさんにしましたら、

最初から元気がなかった声が、ますます元気を失いました。笑

Bさんに限っては、いいぞ、と思いました。

いつでも明るく強く元気よく、のBさんが弱さを私に見せてくれたからです。

これまでにもBさんに、繊細さについては話したことがあったのですが

「はい!わかります!ありますよー繊細なところ!」と強い自分のままで受け止めていたんですよ。

でも今回は弱くて繊細な自分を深く受け入れたから、「元気のない自分を表現していい」という許可が下りたようでした。

繊細さを受け入れたBさん

そして、次の日にこんなメッセージが届きました。

ほんとにほんとに、ありがとうございました(泣)

繊細なんだなって、あらためて感じました。

ほんと、繊細に見えないし、自分でも雑だったり大胆だったりするところがあることから、繊細さなんてあまり注目しなかったんだと思います。

繊細さ以上に目立つ部分を自分の性格だと思っていたんでしょうね!

置き去りにしてきた、繊細さに気づきなさいよってことで、一連の流れに納得しました。

一つの出来事の中にグラデーションで様々な潜在意識が隠されていて、本当に深いです

いかに、メンタル強くグッと踏ん張って仕事していたか。

いかに、平気平気がんばれがんばれって自分を鼓舞していたか。

しばらく繊細さに浸かりたいなって思いました!

大切にしたいと。

それで、そこをしっかり感じようとしたら、イライラしたから、ああほんと繊細だな、と。

大きな心の抵抗の解放が始まって、よかったです。

Bさんはまたこうもおっしゃっていました。

「強さにこだわるがあまりに私は私を傷つけていたんです。」

とても深い気づきだと思いました。

ぶるぶると震えながらも敵に向かっていた時、繊細なBさんの内面はとても傷ついていたのです。

それに気づいたこと自体が大きな癒しです。

そして後日、さらにメッセージが届きました。

敬子さん、先日はコンサルしていただきありがとうございました!

あれから、また新しい発見があったのでご報告させていただきます。

今までずっと悩んでいた悩みが解決されるということが起こりました。

私は仕事で昇進できずずっと悩んでいたのですが、そもそも昇進してリーダーとして頑張るのは、私には向いていなかったんだと、コンサルの後、腑に落ちたのです。

もちろん頑張ればできるのかもしれません。

でも、エニアグラムで自分の中の大切な女性性の部分を見つけてしまうと、自分に向いていることと向いていないことが、ハッキリと分かるようになったのです。

昇進してリーダーになることは、明らかに向いていないなと思えました。

でも、今までの私は、どうやったら昇進できるのかとか、自分に足りないのは何なのかということばかりに焦点が当たっていたので、ムダなところにエネルギーを割いていた気がします。

まずは、昇進してリーダーになるのはもともとは望んでいないとわかったうえで、楽しく仕事をやっていきたいと思えました。

その延長上に昇進という道があるのであれば、それはそれで嬉しいなという、そんな軽やかな気分になれたんです。

そして、なんとか昇進しようと色々資格を取ったり、大変な作業をこなしたりして、よくここまで頑張ってきたなという気持ちでいっぱいです。

自分を褒めてあげています。

長くなりましたが、ありのままの自分を認めるという言葉の深さを感じられて、しあわせです。

一番奥に鎮座している、私が私たる所以、に出会えた感動を伝えたくて、長くなってしまいました。

本当にありがとうございました!

長年の悩みが悩みでなくなり、よかったです!

本当に等身大の自分を知ることで、初めて心から軽くなり、自分を褒めることができるんですよね。

私自身も「そもそも私は無知」ということを受け入れてから、「なのに本当よくがんばってるわ〜」とちょっとのことで褒めることができるようになりました。

自分をここまで深く理解することで、悩みが悩みでなくなったり、心から自分を褒めることができたりします。

もしBさんと同じようなことが当てはまる方がいるとしたら、ぜひ「強さに隠れた繊細さ」を見てあげてください。

挑戦し続けたい、自立していたい、という強さはとても頼もしく素敵です。

それはずっと変わらないけれど、その影に隠れ、強くありたい自分をずっとずっと支えてきたのは、あなたの心の奥にある繊細さです。

その繊細さが、「明るい方ばかりじゃなく暗い方もちゃんと見て!」と言わんばかりに外の世界に現れているかもしれません。

繰り返し起こる現象は、世界からのメッセージであり導きです。

それを受け取りながら進んでいくと、世界と連携し、支えられながら生きている感覚が育ちます。

すると、どんな出来事も結局は味方にできるのですよね。

そんな生き方のお手伝いができることが、本当に嬉しいです。

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この記事を書いた人

奥 敬子
心理コンサルタント
1972年神戸生まれ。
阪神大震災で被災したことをきっかけに上京し、ソニー・ミュージックアーティスツに入社
PUFFY、氣志團、真心ブラザーズなど、数々のアーティストのコンサートグッズ企画制作を11年間担当し日本全国をツアーで回る。
多忙の中でパニック症を発症したことをきっかけにホメオパシーに出会い、劇的に改善したことから専門家を目指すことに。
日本ホメオパシーの第一人者である由井寅子氏をはじめ、イギリス、インド、フランスなどホメオパシー先進国の教師の元で学ぶ。
2008年に開業し、ホメオパス医学協会の学会では4年連続ステージで事例発表。
ホメオパスとしての実績を積みながら2014年から心理コンサルタントとしても活動。
現在は心理コンサルティングの中に性格心理学のエニアグラム、ホメオパシー、タロットリーディングを取り入れて、ボディ・マインド・スピリットのつながりを太くしていくアプローチを行ない、アーティストや起業家、会社員、主婦など、多様な人々の人生を幅広くサポートしている。

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